『星と月は天の穴』
【上映日程】 ※水曜定休日
3/7(土) 12:30〜14:42
3/8(日)〜3/13(金) 14:45〜16:57
※上映時刻が変更になる場合があります。ご来館前にご確認ください。
ご予約システムは2週間くらい前から可能となります。

「ヴァイブレータ」「共喰い」などの脚本や「火口のふたり」などの監督作で知られる荒井晴彦が、「花腐し」でもタッグを組んだ綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介による同名小説を映画化。過去の恋愛経験から女を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこじらせる40代の小説家の滑稽で切ない愛の行方を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら描き出す。
1969年。妻に逃げられ独身のまま40代を迎えた小説家の矢添克二は、心に空いた穴を埋めるように娼婦の千枝子と体を交え、妻に捨てられた過去を引きずりながら日々をやり過ごしていた。その一方で、誰にも知られたくない自分の秘密にコンプレックスを抱えていることも、彼が恋愛に尻込みする一因となっていた。そんな矢添は、執筆中の恋愛小説の主人公に自分自身を投影して「精神的な愛の可能性」を自問するように探求することを日課にしている。しかしある日、画廊で出会った大学生・瀬川紀子と彼女の粗相をきっかけに奇妙な情事へと至ったことで、矢添の日常と心は揺れはじめる。
大学生の紀子を咲耶、娼婦の千枝子を田中麗奈が演じ、柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子が共演。
【出演】綾野剛、咲耶、岬あかり、田中麗奈
【監督】荒井晴彦
2025年製作/122分/R18+/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2025「星と月は天の穴」製作委員会



ラスト近く、公園へ向かう車内での田中麗奈さんの仕草が、まず強く心に残った。
好きな男にふと媚びるようでありながら、その時間そのものを心から楽しんでいる——そんな一瞬の身のこなしが、本当に素晴らしい。
あの場面だけでも、この映画を観た価値があったと思えるほどだった。
観終えて最初に感じたのは、性描写が意外なほど単調に思えたことだ。
「荒井監督、ついに枯れてしまったのか?」と一瞬驚いたのも正直なところだが、
同時に田中麗奈さんの存在感があまりに突出していて、「もし『ナイトフラワー』がなければ、(私の中では)助演女優賞は田中麗奈さんだったのに」と、そんなことまで考えてしまった。
荒井晴彦監督について思うのは、今の日本映画界で、この種の性表現を真正面から撮り続けられるのは、やはりこの人しかいないということだ。