あまや座

茨城県那珂市瓜連あるミニシアター

僕の名はパリエルム・ペルマール/ 2021年4月17日(土)〜4月23日(金)

「僕の名はパリエルム・ペルマール」


【上映日程】 ※水曜定休日 

2021年4月17日(土)〜23日(金)14:30〜17:13
※17日は上映後スペシャルトークあり(満席)


被抑圧カースト「ダリト」(不可触民)出身のパリエルムは、留保制度(低カースト出身者のための優先枠)で法科大学に進学。美しいジョーとの恋やアーナンドとの友情を育みながら弁護士を目指すが、想像を絶する理不尽な差別に見舞われ、ついには……。 ダリト出身でもあるマーリ・セルバラージ監督が、人類の普遍的な課題でもある差別に対峙する人たちの哀しみと強さを描いたヒューマンドラマの傑作! ※CGによる動物を傷つけるシーンがあります。

★★★本作をご鑑賞前に★★★
この映画は、2000年代後半のタミルナードゥ州南部、ティルネルヴェーリ市とその周辺地域が舞台。実際にカーストによるトラブルが多い地域という点も含め、インド特有の因習や文化的背景について、鑑賞前に知っておくと有意義な点を3つだけ。

1.ブルーカラー 劇中、象徴的に使われるブルーの色は、インドにおける反カースト運動のシンボルカラー。その指導者アンベードカルも劇中に(大学長の机上の写真などで)映し出される。

2.中間カーストとダリト 執拗にパリエルムを忌み嫌う同級生の親族は、テーヴァルという、中間カースト層の人たち。それゆえに最下層ダリトとの親戚関係は親族の穢れになると怖れている。

3.名誉の殺人 親族の名誉を損ない、恥や穢れとなるよりも名誉の死を重んじ行われる殺人。今でもインドや中東などで起きており、親が子を直接殺めるケースも少なくない。劇中に登場する“ある老人”は、こうした背景の中で描かれている。

【出演】カディル、アーナンディ、他
【監督】マーリ・セルバラージ
2018年製作/153分/G/インド/配給:SpaceBox

COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. インドは合衆国で、地域地域でそれぞれ法や文化があるようで、カースト制度という差別があるのも何となく知っている。この映画を観て、あまや座の名物となっている、インド映画アフタートーク(山田桂子さん、山田タポシさん)を聞いたら、ものすごくインドに詳しくなった気分。そのくらい意義のある映画鑑賞だった。本作が初監督だというのはビックリの傑作だと思う。名誉の殺人などインド特有の因習や文化的背景が、暗い題材であってもインド映画お得意の歌と音楽に上手く載せてある、その映像手腕が素晴らしい。

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